[優秀賞] 海外から見たSAGAをデザインで表現「ARIAKE ワークショップ」
受賞プロジェクト
海外から見たSAGAをデザインで表現「ARIAKE ワークショップ」
受賞団体
諸富家具振興協同組合(レグナテック 株式会社/有限会社 平田椅子製作所)
受賞代表者
樺島 雄⼤
デザイナー
Gabriel Tan/樺島 賢吾
プロジェクト概要
Ariakeは、家具の町である佐賀県諸富町のレグナテック株式会社と平田椅子製作所の二社が立ち上げた家具ブランドです。この名前は、九州にある有明海にちなんで名づけられました。また、「Ariake」は日本語で夜明けを意味しており、グローバル市場を目指して海外のデザイナーたちとのコラボレーションを開始した二社の新しい幕開けを象徴しています。私たちの信念は、仕事における強いつながりが、良いものづくりの土台であるということです。家具は、人が共に住み、働き、食事をするという社会生活のために作られます。Ariakeのブランドとそのデザインは、諸富で行ったワークショップで、デザイナーたちと職人たち、アートディレクター、フォトグラファーが寝食を共にし、一緒に製作をすることにより作り上げられました。言葉の壁を越え、デザイナーと職人たちはブランドの魂を決定づけるために必要な集団のエネルギーを生み、信頼関係を築いていきました。その結果、日本文化のスピリチュアリティーと都市の生活背景にインスパイアされ、最高の技と最高の機械によって製作された家具コレクションが「Ariake」です。
現在、Ariakeの家具は佐賀の工場で製作され、20カ国以上の国へ輸出されています。有明海の干潟からインスピレーションを得て採用した墨汁を使ったスミ色塗装や、朝焼けをイメージした群青色(インディゴ)のカラーバリエーションをはじめ、年に一回、デザイナーと職人が顔を合わせて新作の開発を行うという取り組みが、グローバル市場で高い評価を得ています。2023年には、デザイン界のグラミー賞と言われる「ELLE DECOR DESIGN AWARD」のベッド部門でグランプリを獲得しました。また、昨年は、佐賀の伝統工芸である名尾和紙とコラボレーションした新作のキャビネットを発表。佐賀県産のヒノキ材を積極的に取り入れるなど、産地の垣根を超えたコラボレーションを実現させることで、ブランドのアイデンティティである「佐賀生まれのブランド」であることをより一層強めています。
特徴
- 年に一度、世界からデザイナーが佐賀に集まり、職人と一緒に新商品を開発する「ARIAKE ワークショップ」を通じて、海外デザイナーから見たSAGA を家具のデザインで表現したブランドである。
- 佐賀県産木材の活用や地場の伝統工芸との業種を超えたコラボレーションに取り組んでいる。
- 海外のデザイナーとの交流を通じて、異文化への理解やデザインに関するリテラシーの向上につながっている。
パネルデザイン

スライド
動画
https://drive.google.com/file/d/1AlVQcBT0CeVYwzz9J0Drw8QZPXCHDDV9/preview
ホームページ
https://www.ariakecollection.com/
審査委員講評(原田 祐馬)
ARIAKEの美しいデザインには佐賀の地域的背景が深く刻まれている。このワークショップがそのことを支えていることを教えてくれる。日本や海外から佐賀を訪れたデザイナーたちは、まずフィールドワークをし、地域の魅力や素材に触れるところからプロジェクトがスタートしている。一見、デザインと距離があるように思えるプロセスそのものが、デザイナーが思考するより良い環境をつくるのである。このように丁寧につくることに向き合う時間をデザインしているからこそ生まれる品質に評価が集まった。